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大阪府の被災者の生活再建等の支援について解説
大規模な災害が発生した際、元通りの生活に戻すには長い時間と多額の費用がかかるケースもあります。
しかし、個人で戻すのには限界があるため、都道府県が災害時の支援制度を整備しています。
大阪府も被災者の生活再建支援を整えているため、万が一のときのためにどのような制度があるのか理解しておくことが大切です。
本記事では大阪府の被災者の生活再建等の支援について解説します。
なお、国も被災者生活再建支援制度を実施していますので、国の制度の内容も知りたいという人は、以下の記事をぜひ参考にしてみてください。
https://brainforest.jp/recipe/disaster_kuni/
被災者の生活再建等の支援
大阪府では被災者に対し、以下の7つの支援をおこなっています。
- 災害弔慰金及び災害障害見舞金
- 災害援護資金貸付
- 罹災証明書の交付等
- 租税等の減免及び徴収猶予等
- 雇用機会の確保
- 住宅の確保等
- 被災者生活再建支援金
どのようなときに、どのくらいの支援を受けられるのか解説します。
災害弔慰金及び災害障害見舞金
災害弔慰金とは自然災害によって亡くなられた遺族に支払われる金銭、災害障害見舞金とは自然災害によって障害もしくは身体に著しい障害を受けた人に払われる金銭です。
災害弔慰金・災害障害見舞金は、以下のような災害発生時に支給されます。
- 1つの市町村において5世帯以上の住家が滅失した災害(当該市町村の住人が対象)
- 大阪府において災害救助法の適用を受けた市町村が1つ以上ある災害(大阪府内全域の住人が対象)
- 大阪府において住家が5世帯以上滅失した市町村が3つ以上ある場合の災害(大阪府内全域の住人が対象)
- 災害救助法が適用された市町村をその区域内に含む都道府県が2つ以上ある場合の
災害(全国の住人が対象)
支援の対象となった際には以下の金額が支給されます。
【災害弔慰金】
生計維持者が死亡した場合:500万円
その他の者が死亡した場合:250万円
【災害障害見舞金】
生計維持者が障害になった場合:250万円
その他の者が障害になった場合:125万円
ただし、以下の条件に該当する場合は災害弔慰金・災害障害見舞金の支給が制限されることもあります。
- 死亡や障害が故意または重大な過失によって発生した場合
- 内閣総理大臣の定める給付金が支給される場合
なお、災害障害見舞金が支給される障害の程度には基準があり、その基準を満たさない場合は支払われません。
災害援護資金貸付
災害援護資金貸付とは都道府県内で災害救助法が適用された市町村が1以上ある自然災害により負傷または住居、家財が破損した人に貸付をおこなう制度です。
貸付条件は以下のとおりです。
貸付限度額 | 350万円(※1) |
---|---|
利率 | 3% |
据置期間 | 3年(※2) |
償還期間 | 10年 |
※1:貸付限度額は負傷や住居・家財の程度により変動
※2:特別の場合5年
ただし、災害援護資金貸付には以下のように所得制限があり、基準を超えている世帯は借り入れできません。
世帯人員 | 市町村民税における前年の総所得額 |
---|---|
1人 | 220万円 |
2人 | 430万円 |
3人 | 620万円 |
4人 | 730万円 |
5人以上 | 1人増えるごとに730万円に30万円を加えた額 |
※世帯の住居が滅失した場合は世帯人員に関係なく1,270万円
罹災証明書の交付等
罹災証明書とは、住宅がどの程度の被害なのか市町村が証明してくれる書類です。
被災時の支援を受けるには罹災証明書が必要となり、市町村による迅速な調査が必要です。
大阪府は罹災証明書の迅速な発行のため、必要に応じ航空写真や被災者が撮影した写真、応急危険度判定の判定結果を活用するなど適切な手法により実施することを市町村に求めています。
また、複数の市町村で大きな被害が発生したときに各自治体で被害の判定が異ならないよう、大阪府は課題や対応方法の情報提供や判定のノウハウ共有を実施しています。
租税等の減免及び徴収猶予等
自然災害により税金の徴収が難しくなった場合、地方税法や大阪府条例により減免や徴収猶予を実施することがあります。
なお、大阪府が課税する税金の代表例は以下のとおりです。
- 府民税(住民税)
- 事業税
- 地方消費税
- 不動産取得税
- 自動車税
- 府が課する固定資産税 など
また、減免や徴収猶予のほかに、滞納処分の執行停止や換価猶予を実施することもあります。
雇用機会の確保
大規模な自然災害の発生は雇用機会の喪失につながるため、大阪府は公共職業安定所や就職支援機関と連携して被災者の雇用をあっせんすると定めています。
被災して事業の継続が難しくなった事業所の従業員の解雇、内定取消防止を事業主に要請するよう努めることも規定しています。
また、自然災害により雇用保険の失業等給付の認定日に認定を受けられない、激甚災害法適用により事業所が休業した場合に例として求職者給付をおこなうよう国に働きかけます。
住宅の確保等
被災者の住宅を確保するため、大阪府は以下の支援をおこないます。
- 相談窓口の設置
- 住宅復興計画の策定
- 公共住宅の供給促進
- 災害復興住宅資金の貸付
- 借地借家制度の特例を適用
賃貸・建築・補修などあらゆる面から住まいの確保につなげ、被災者の生活安定に寄与しています。
被災者生活再建支援金
被災者生活再建支援金とは、自然災害により著しい被害にあった住宅に住む世帯に支給される金銭です。
支給対象になるのは、以下のいずれかの条件を満たした世帯です。
- 住宅が全壊した世帯(全壊世帯)
- 住宅が半壊し、または住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体した世帯(解体世帯)
- 災害による危険な状態が継続し、長期にわたり居住不可能な状態が継続している世帯(長期避難世帯)
- 住宅が半壊し、大規模な補修をおこなわなければ住宅に居住することが困難である世帯(大規模半壊世帯)
- 住宅が半壊し、相当規模の補修をおこなわなければ居住することが困難な世帯(中規模半壊世帯)
条件を満たした世帯への支給額は、以下のとおりです。
世帯の区分 |
基礎支援金 |
加算支援金 |
||
複数世帯 (被災時の世帯人数が2人以上) |
全壊世帯 解体世帯 長期避難世帯 |
100万円 |
建設・購入 |
200万円 |
補修 |
100万円 |
|||
賃借 |
50万円 |
|||
大規模半壊世帯 |
50万円 |
建設・購入 |
200万円 |
|
補修 |
100万円 |
|||
賃借 |
50万円 |
|||
中規模半壊世帯 |
なし |
建設・購入 |
100万円 |
|
補修 |
50万円 |
|||
賃借 |
25万円 |
|||
単身世帯 (被災時の世帯人数が1人) |
全壊世帯 解体世帯 長期避難世帯 |
75万円 |
建設・購入 |
150万円 |
補修 |
75万円 |
|||
賃借 |
37万5,000円 |
|||
大規模半壊世帯 |
37万5,000円 |
建設・購入 |
150万円 |
|
補修 |
75万円 |
|||
賃借 |
37万5,000円 |
|||
中規模半壊世帯 |
なし |
建設・購入 |
75万円 |
|
補修 |
37万5,000円 |
|||
賃借 |
18万7,500円 |
表のように支援金の対象となる人が、建物を建設・購入するのか補修するのかなどによって支給額は異なります。
なお、被災者生活再建支援金の金額は基礎支援金と加算支援金を合計した数字です。
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