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解体工事施工技士はどんな資格?メリットや難易度を解説
解体するときには落下物や飛散物を防止する技術が必要なのと同時に、廃棄物の適切な処理や近隣への対策などの知識も必要です。
このような技術や知識があると証明できるのが、解体工事施工技士です。
本記事では、解体工事施工技士について詳しく解説します。記事の後半では解体工事施工技士のメリットについても説明しますので、取得を考えている方は記事を最後までご覧ください。
解体工事施工技士とは
解体工事施工技士とは、解体に必要な知識や技術があることを証明する国家資格です。
解体は誰でもできる工事ではなく、一定の知識や技術をもった人が監督しなければ人の命や他人の財産を傷つけてしまうリスクがあります。
そのため、一定の水準の知識・技術をもつ人として解体工事施工技士が解体に必要とされているわけです。
まずは、解体工事施工技士の基本的な内容として、資格概要と資格創設の背景について解説します。
資格概要
解体工事施工技士の資格を取得すると、以下の行為が可能となります。
- 請負金額500万円未満の解体工事を受注するために必要な解体工事業に登録できる
- 請負金額500万円以上の施工に必要な技術管理者になれる
解体工事を施工するためには、登録や許可が必要です。
請負金額500万円以上の大規模な解体を施工するには建設業の許可が必要となるものの、500万円未満なら解体工事業の登録だけでも解体できます。
解体工事業の登録であれば、解体工事施工技士の有資格者がいれば登録可能です。
また、請負金額500万円以上もかかる大規模な解体工事を安全に進めるには、よりいっそう建物の倒壊を防止したり産業廃棄物を適切に処理したりしなければなりません。
それらの行動を監督するには、能力の高い監督官が必要とされます。
資格制度創設の背景・目的
解体工事施工技士の資格を創設された背景・目的は、以下のとおりです。
解体工事業に従事する現場管理者等の解体工事技術、廃棄物の適正処理、建設リサイクル法に対応した施工管理能力の向上を図ることを目的とする。 |
引用:公益社団法人全国解体工事業団体連合会「解体工事施工技士(登録解体工事試験)とは」
戦後復旧から多くの建築物が建設され、老朽化が進み解体件数が増加しています。
解体の増加とともに産業廃棄物の不法投棄の防止や、廃材のリサイクル推進が建設業界の急務となっています。
また、解体工事では転落防止器具の不使用による事故が発生したり、建物倒壊による隣家への損害を与えたりするおそれがあり、適切な現場管理をおこなわなければなりません。
このような問題の防止や現場の適切な管理のため、解体工事施工技士の資格が創設されました。
解体工事施工技士資格取得試験について
解体工事施工技士の取得を考えるときには、以下の内容を理解しておく必要があります。
- 受検資格
- 試験のスケジュール
- 試験の内容
- 合格率と難易度
- 登録制度
ここからは、解体工事施工技士の試験に関連する内容について解説します。
受検資格
解体工事施工技士の試験を受験できるのは、以下の表の条件を満たした人です。
学歴 |
必要な解体工事の実務経験年数 |
||
指定学科を卒業した者 |
指定学科以外を卒業した者 |
||
イ |
大学 |
卒業後1年以上 |
卒業後1年6ヶ月以上 |
ロ |
短期大学 |
卒業後2年以上 |
卒業後3年以上 |
ハ |
高等学校 |
卒業後3年以上 |
卒業後4年6ヶ月以上 |
ニ |
その他 |
8年以上 |
※高等学校の指定学科以外を卒業した者には、高等学校卒業程度認定試験規則(平成17年文部科学省令第1号)による試験、旧大学入学資格検定規程(昭和26年文部省令第13号)による検定試験に合格した者を含む
※「指定学科」は国土交通省令(施工技術検定規則〈土木施工管理・建築施工管理〉)に規定する学科
引用:公益社団法人全国解体工事業団体連合会「解体工事施工技士資格制度の概要」
表のように、受験に必要な実務経験の長さが学歴によって変わります。
最短で実務経験が1年以上、最長で8年以上必要です。
ただし、公益社団法人全国解体工事業団体連合会が実施する講座を受ければ、受験に必要な実務経験の長さが1年短縮されます。
講座は1日8時間程度を2日間連続でおこなわれ、受けるには3万円弱の費用がかかります。
試験のスケジュール
解体工事施工技士の試験スケジュール目安は、以下のとおりです。
項目 | 日程の目安 | 令和6年度の日程 |
---|---|---|
試験期日 | 12月上旬 | 令和6年12月1日(日) |
書類受付期間 | 9月上旬〜11月上旬 | 令和6年9月2日(月)~10月25日(金) |
合格発表日 | 翌年1月下旬 | 令和7年1月31日(金) |
解体工事施工技士の書類受付期間は、必着が基準となっています。
書類受付期間内に書類を記載しても、郵送物の到着が1日でも遅れたら受験できません。
試験の内容
解体工事施工技士の試験範囲は、以下のとおりです。
- 土木・建築の基礎知識
- 解体工事施工の計画
- 解体工事施工管理
- 解体工法
- 解体用機器
- 安全管理・環境保全
- 副産物・廃棄物対策
- そのほか関連法規
そして、問題は四肢択一式と記述式の2種類で出されます。
四肢択一式は50問(90分)、記述式は5問(120分)です。
合格率と難易度
公益社団法人全国解体工事業団体連合会「令和5年度(第31回)解体工事施工技士試験 概況」によると、令和5年度の合格率は56.2%でした。
受験者の半数以上が合格しているものの、簡単な試験とはいえません。
受験者は実務経験が豊富な人であり、そのような人でも半数近くが落ちているわけです。
解体工事施工技士の合格率を高めるためにも、公益社団法人全国解体工事業団体連合会の講座を利用するなど対策が必要と考えておくべきでしょう。
登録制度
解体工事施工技士に合格して資格を使うには、公益社団法人全国解体工事業団体連合会の「解体工事施工技士登録者名簿」に登録しなければなりません。
登録するには6,600円の手数料がかかり、登録完了後に登録証と資格者証が発行されます。
なお、登録される期間は5年であり、更新する際には2月〜3月に開講される講座を受講する必要があります。
解体工事施工技士取得のメリット
解体工事施工技士の資格を取得すると、以下のようなメリットが得られます。
- 解体工事施工技士を活かせる仕事
- キャリアアップ・年収アップ
- 一般のお客様から見た解体工事施工技士
それでは、どのようなメリットが得られるのか詳しくみていきましょう。
解体工事施工技士を活かせる仕事
解体工事施工技士を取得すると、資格を活かせる仕事に就きやすくなります。
解体工事施工技士をもっていれば、請負金額500万円未満の解体工事を受注するための解体工事業に登録が可能です。
少額の工事を繰り返し受注する企業なら、解体工事施工技士の資格を利用して解体ができるようになります。
また、500万円以上の解体工事を施工する際には、管理者として解体工事施工技士を設置しなければなりません。
このように解体において解体工事施工技士は不可欠な存在であり、解体工事を仕事としている企業に就職しやすくなります。
キャリアアップ・年収アップ
解体工事施工技士の資格を取得していると、キャリアアップや年収アップにつながります。
解体工事施工技士は解体のスケジュール管理や作業員への指示、廃棄物の適切な処理など工事全体を監督しなければなりません。
責任ある仕事を続けているとスキルアップにつながり、重要な立場への道のりが早まります。
また、解体工事施工技士の資格を保有している人に資格手当を支給している会社もあるため、同じ時期に入社した同期だとしても、資格のありなしで年収が変わります。
そして、年収アップのための転職もしやすくなるのもメリットです。
請負金額が500万円を超える解体工事を多く受注している会社は、各現場に解体工事施工技士を配置しなければなりません。
そのため、多くの解体工事施工技士を採用する必要があり、よい労働条件を提示してくれるケースがあります。
一般のお客様から見た解体工事施工技士
解体工事施工技士の資格証があれば、一定の知識や技術があることを一般のお客様へ証明できます。
一般のお客様は安心して解体工事を任せたいと考えていますが、どの解体業者に依頼すればよいのかなかなか判断できません。
しかし、解体工事施工技士の仕事内容の説明とともに資格証を提示すれば、質の高い解体工事を施工できることが証明できるはずです。
証明できれば会社や担当者への信頼感を得られ、工事受注の増加に貢献できます。
解体工事ならブレインフォレストにお任せください
ブレインフォレストではお客様に安心していただくために、施工管理職だけでなく営業職も解体工事施工技士の取得に取り組んでいます。
お客様に関わる社員の知識・技術レベルの向上に取り組み、安心して解体工事を依頼してもらえる環境を整えています。
なお、当社は【解体屋らしからぬ解体屋】をブランドフレーズに、解体業界のイメージを変えたい一心で取り組んでいる企業です。
らしからぬの定義
1.超凡事徹底
2.期待以上の価値の提供
3.業界に捉われない挑戦
解体屋らしからぬ解体屋として質の高い仕事内容を提供しております。
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