「解体費用は高額だから少しでも安くしたい！」と、建物を壊すときに費用を軽くしたいと考える人は多いはずです。
しかし、安易に解体費用が激安の業者に依頼してはいけません。

激安で解体できるのには裏があり、大きなトラブルに巻き込まれてしまうおそれがあります。
トラブルに巻き込まれないよう、激安な費用を提示する解体業者のトラブル事例を理解しておきましょう。

本記事では、解体費用の相場や、激安な費用を出す解体業者のトラブル事例を解説します。
記事の後半では、適正な解体業者の選び方についても紹介していますので、最後までご覧ください。

解体工事の費用相場

解体工事の費用相場は、壊す建物の構造によって変わります。
ここからは、建物の構造ごとに、解体費用の相場を紹介していきます。

木造住宅の場合

木造住宅の解体工事の費用相場は、次のとおりです。
※以下、費用相場はBrainForestの場合です。

• 坪単価：2.5～4万円/坪
• 延べ30坪の建物を解体した場合：75～120万円

木材は柔らかく解体しやすい建築材料であり、比較的費用が安くなる構造です。
解体費用が比較的安いといっても大きな金額であるのには変わりなく、解体費用の見積もりを比較して金額を確認することが大切です。

鉄骨造住宅の場合

鉄骨造住宅の解体工事の費用相場は、次のとおりです。

• 坪単価：2.5～5万円/坪
• 延べ30坪の建物を解体した場合：75～150万円　

鉄骨造は、鉄骨の厚さによって解体できる金額が変わります。
軽量鉄骨造のような薄い鉄骨であれば比較的安く壊せますが、重量鉄骨造ともなると費用が高額になります。
解体する建物が軽量鉄骨造なのか、重量鉄骨造なのかは法務局で登記簿を取得すれば確認が可能です。

鉄筋コンクリート造（RC）造住宅の場合

鉄筋コンクリート造住宅の解体工事の費用相場は、次のとおりです。

• 坪単価：3.5～5万円/坪
• 延べ30坪の建物を解体した場合：105～150万円　

鉄筋コンクリート造は建物が硬くて丈夫な構造であり、解体費用は木造や鉄骨造と比べて高額になります。
住宅ではあまり利用されませんが、マンションやオフィスなどの大規模建築物ではよく利用されています。

激安解体業者のトラブル例

激安解体業者に建物解体を依頼すると、次のようなトラブルに巻き込まれるおそれがあります。

• 不法投棄
• 追加費用
• 事故
• 近隣トラブル

あまりにも解体費用が安いと、リスクが大きくなるため注意しましょう。

不法投棄

激安の解体業者は、解体で発生した産業廃棄物を不法投棄するおそれがあります。

通常、解体業者は自社で産業廃棄物の処理場をもっておらず、ゴミの処分を「中間処理施設」に依頼します。
もちろん、中間処理施設に産業廃棄物の処理を依頼すると、運搬費や処理費を払わなければなりません。

激安の解体業者は産業廃棄物の処理にかかる費用を浮かせるため、ゴミを中間処理施設に持ち込まず山中のような人目につかない場所に不法投棄します。

悪質な解体業者の場合、一部の産業廃棄物を適正に処理し、残りのゴミを不法投棄します。
このようにすれば、不法投棄したかどうかわからなくなり、足がつきにくくなるからです。
解体を発注する人は、不法投棄しない解体業者に依頼するよう配慮しましょう。

追加費用

激安な見積もりを提出する解体業者は、難癖をつけて契約後に追加費用を請求してきます。

たとえば、予想していなかったゴミが地中にあったので処分しておいたなどです。
通常、地中埋設物が見つかった場合、一旦工事を止めて、発見されたものを施主に確認してもらって費用を提示してから撤去します。
しかし、悪質な解体は勝手にゴミを処分し、費用を一方的に請求してくるわけです。

解体する前は激安な見積もりだったとしても、解体工事が終わったときには相場よりも高くなってしまったなどの事例が多くあります。

事故

激安な解体業者は安全対策をしっかりと講じないため、事故を発生させるおそれがあります。

解体工事は危険な作業であり、隣地に損害を与えないように対策しなければなりません。
たとえば、粉じん被害を抑えるために養生をしたり、倒壊を防ぐために建物の上部から解体したりするなどです。

しかし、養生をしたり、建物の上から少しずつ壊したりすると解体業者にとって費用的な負担が増えます。
そのため、養生をしないなどの危険な解体工事をおこない、事故を発生させてしまいます。

近隣トラブル

激安な解体業者は、近隣に配慮せずに解体工事をおこなって近隣トラブルを引き起こします。

工事は期間が短くなるほど人件費や重機の使用料が抑えられるため、激安な解体業者は突貫で工事をおこなおうとします。
深夜や早朝、土日関係なく解体工事をおこなって工期を短縮するわけです。

しかし、深夜や早朝、休日に解体工事をおこなうと、振動や騒音で近隣からクレームが発生してしまいます。

また、悪質な業者は近隣からクレームがきてもまともに対処せず、放置してそのまま解体工事を続けます。
近隣の人は解体業者にクレームしても意味がないと考え、施主のところまで直接クレームをしにくる人も出てくるおそれがあるため注意しなければなりません。

適正な解体業者の選び方

適正な解体業者を選ぶなら、次の項目を確認しておきましょう。

• 相見積もりで相場を把握する
• 建設業許可または解体工事業登録を確認する
• マニフェストを確認する

解体工事を最初から最後まできちんとおこなってくれるかどうか、確認する方法は多くあります。
どのような解体業者を選べばいいのか確認し、トラブルなくスムーズな解体を実現していきましょう。

相見積もりで相場を把握する

解体の見積もりがあまりにも安すぎないか確認するために、相見積もりして相場を把握しましょう。

見積もりの取得が1社だけだと、解体費用が相場なのか確認できません。
複数社から解体見積もりを取得すれば、各社の見積もりが比較できておおよその相場がわかります。

相見積もりをして1社だけ極端に安い場合は、見積もりの詳細まで確認しておきましょう。
わざと項目を少なくして提出してきて、追加費用を請求してくる可能性もあります。

建設業許可または解体工事業登録を確認する

解体業者を選ぶ際には「建設業許可」か「解体工事業登録」があるか確認しましょう。

解体工事をおこなう場合、建設業許可か解体工事業登録が必要です。
建設業許可などを取得している場合、許可証が交付されるため解体業者から提示してもらいましょう。
そして、提示された許可証が有効なものであるか、発行した自治体に確認します。

免許や登録をしている解体業者であれば、安心して解体工事を依頼できます。

マニフェストを確認する

解体業者が産業廃棄物を適正に処理しているか確認した場合、「マニフェスト」を提示してもらいましょう。

マニフェストとは、産業廃棄物が適正に処理されたか確認するため、ゴミの受け入れ先、受け入れたかどうかが確認できる書類です。

産業廃棄物を適正に処理したならマニフェストが残っているはずであり、普通の解体業者ならすぐに提示してくれます。
マニフェストの提示を渋った解体業者は、不法投棄するおそれが高いため注意しなければなりません。

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