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解体工事前の残置物はどこまでかたづけなければいけない?

解体工事は、建物と工作物をすべて壊し撤去します。
撤去時に多くの人は、建物内・敷地内に残したものも一緒に解体・撤去してくれると思っています
しかし、この考え方は間違っており、残置物は本来、解体の依頼者が撤去しなければいけません。

本記事では解体工事と残置物の関係や、残置物の処分方法などについて解説しますので、解体するときの参考としてください。

解体工事と残置物

解体工事は、残置物と密接に関連しています。

解体工事をおこなうとき、多くの人は建物内・敷地内に残存物を置いていきます。
しかし、残置物の撤去には費用がかかり施主が費用負担をしなければいけません。
解体するときには残置物ついて理解し、解体業者に撤去を依頼するのか、自分で撤去するのか判断しましょう。

残置物とは

残置物とは、解体するときに敷地内・建物内に残っているゴミのことです。

主な残置物は次のとおりです。

【建物内】

  • 家具
  • 衣類
  • 家電製品
  • 本や本棚
  • 机やイス など

【敷地内】

  • 自転車
  • ホース
  • 遊具 など

上記は例であり、建物内・敷地内にある動産はすべて残置物です。
建物以外を撤去する場合は、基本的にすべて残置物撤去に費用がかかると考えておきましょう。

一般廃棄物と産業廃棄物の違い

残置物を撤去するときには、一般廃棄物と産業廃棄物との違いも理解しておかなければいけません。

  • 一般廃棄物:一般市民が排出するゴミ
  • 産業廃棄物:事業活動に伴って排出されるゴミ

排出する人によって、一般廃棄物と産業廃棄物と区別されます。
一般廃棄物は自治体が市民サービスとして格安で処分してくれますが、産業廃棄物についてはそうはいきません。
産業廃棄物は産業廃棄物処理法に基づき、ゴミを分別し中間処理施設や最終処分場に運んで処理する必要があります。
産業廃棄物は簡単に処分できず、一般廃棄物よりも処理費用が高くなるという違いもあります。

残置物処分は施主の責任

残置物の処分は、施主の責任です。

一般的に解体業者は一般廃棄物収集運搬許可を持っていないので、残置物撤去を請け負うことはできません。
必ず解体前に施主自身が撤去しておきましょう。
なお、解体業者が不用品回収業者を紹介してくれる場合もあるので相談してみるのもおすすめです。

解体工事前の残置物処分の範囲

解体工事の前までに処分しなければいけない残置物とは、どこまでの範囲なのでしょうか。
ここからは、解体工事前の残置物処分の範囲を紹介していきます。

かたづけなければいけないもの

解体工事前にかたづけなければいけないものは、建物に固定され簡単に取り外せないもの以外です。

施主は建物内の動産はすべて撤去する必要があります。

エアコンは建物に固定されていますが、外すのが簡単であるため撤去しなければいけません。
つまり、エアコンは残置物として扱われるということです。
しかし、キッチンや浴室などは取り外しが難しいため、残置物には該当しません。

そのままにしておいてよいもの

解体工事前にそのまま残しておいてよいものは、建物とほぼ一体化しているものです。

解体前に撤去しなくてもよいものは、次のとおりです。

  • キッチン
  • ユニットバス
  • 便器(温水洗浄便座は動産なので撤去が必要)
  • 洗面台 など

上記のものは建物に固着しているため、残置物には該当しません。

残置物処分の方法

残置物を自分で処理する方法は、次のとおりです。

  • ゴミの日に少しずつ出す
  • 自治体の粗大ゴミ回収を依頼する
  • 不用品買取・回収業者に依頼する
  • 家電リサイクル4品目の処分
  • パソコンの処分

残置物を処分する方法は多く、どのような方法で処分できるのか理解しておく必要があります。
また、処分するものによっては処分方法が指定されているケースもあるため、どのような方法で処分しなければいけないのかも把握しておきましょう。

ゴミの日に少しずつ出す

日用品については、一般のゴミとして少しずつゴミの日に出していきます。

ゴミ出しは自治体のルールに沿っておこなうようにしましょう。
自宅と解体する現場が違う場合、捨てよいゴミの種別や出せる日が違うこともあるためルールを確認してから出しましょう。

自治体の粗大ゴミ回収を依頼する

自治体のルールで粗大ゴミに該当するものを捨てるときには、粗大ゴミ回収を依頼しましょう。

ほとんどの自治体は、横・縦・高さのいずれかが規定する大きさを超えたときに粗大ゴミと判定します。

粗大ゴミに該当しやすい残置物は、次のとおりです。

  • 衣装棚
  • 本棚
  • イス
  • ソファー など

粗大ゴミ回収をするときには、処分費用がかかります。
また、処分するときには粗大ゴミ回収の依頼をする必要もあるため、自治体のルールを確認しておきましょう。

不用品買取・回収業者に依頼する

残置物を撤去するときには、不用品買取や回収業者に持って行ってもらえないか確認しましょう。

ものによっては不用品買取をしてもらえたり、無料で回収してくれたりします。
ただし、無料の回収業者を利用するときには、一般廃棄物の処理業の許可があるか確認しておかなければいけません。
無許可で回収している業者が多く、無料とうたっておきながら後で高額請求されるなどのトラブルに巻き込まれる可能性があります。

家電リサイクル4品目の処分

家電リサイクル法に定められた4品目を処分するときには、特定の方法で捨てなければいけません。

家電リサイクル4品目とは、次の家電製品を指します。

  • エアコン
  • テレビ
  • 冷蔵庫冷凍庫
  • 洗濯機衣類乾燥機

上記の4項目の家電製品を処分する方法は、次のとおりです。

  • 購入した電気店に引き取ってもらう
  • 市区町村へ問い合わせて引き取ってもらう
  • 指定の引き取り場所への持ち込む

家電リサイクル4品目を処分するときには、処分方法を守り捨てるようにしましょう。

パソコンの処分

パソコンはPCリサイクル法に基づき、特定の方法で処分しなければいけません。

パソコンには大切な個人情報が詰まっているため、家電販売店などに引き取ってもらいデータを消去し処分してもらいます。

なお、PCリサイクル法に基づき処分しなければいけないものは、次のパソコン類です。

  • デスクトップパソコン
  • ノート型パソコン
  • 液晶ディスプレイ

上記以外のパソコン関連機器については、PCリサイクル法に該当しないため一般ごみと同様に処分できます。

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