更地だと固定資産税が高い？固定資産税の仕組みについて

不動産や償却資産を所有していると固定資産税が課税されます。
そして、固定資産税は更地にすると課税額が上がってしまいます。
なぜ固定資産税は更地にすると上がってしまうのか知らない方も多いことでしょう。

固定資産税が上がってしまうのは、更地にすると減税措置を受けられなくなるからです。
それでは減税措置がなくなると、どのくらい固定資産税が上がってしまうのでしょうか。

本記事では、更地になると固定資産税が上がってしまう理由、どのくらいの固定資産税額が上がってしまうか、固定資産税額を安くする方法などを解説します。

記事を最後まで読み進めて頂ければ、固定資産税の知識が得られ、どのようにしたら税額を抑えられるのか理解できます。

「住宅用地」と「非住宅用地」

固定資産税の課税上、土地は住宅用地と非住宅用地に分けられます。
住宅用地とは住宅が建っている土地で、非住宅用地とは商業施設や工場など住宅以外の建物が建っている土地です。

更地の固定資産税の計算方法

更地の固定資産税を計算する方法は、次の通りです。

なお、標準税率は各自治体により異なるため注意ください。

更地の固定資産税を安くする方法について

更地の固定資産税を安くするには、様々な方法があります。
ここでは、更地の固定資産税を安くする方法を紹介します。

住宅を建てる

土地上に住宅を建てることで、土地の固定資産税が安くなります。
住宅を建てると次の表のような減税措置を受られます。

 この表のように土地情に住宅を建てることにより、土地の評価額を少なくできます。

共同住宅を建てる

共同住宅を土地上に建てる場合も、土地の固定資産税が安くなります。
共同住宅を建てたときの固定資産税減税措置は、次の表の通りです。

※居住部分の割合は、居住部分の床面積 ÷ 家屋の総床面積で計算
このように住宅ほどではありませんが、共同住宅を建てることにより土地の固定資産税が安くなります。

取り壊しは1月1日以降に行い竣工は1月1日に間に合わせる

固定資産税は1月1日現在の所有者に課税されます。
そのため、建物を1月1日以降に壊して翌年1月1日までに新たな住宅・共同住宅を建てれば、土地の固定資産税が安いまま課税されます。

この方法を利用する場合、新たに建てる建物の建築期間に注意しましょう。
翌年1月1日までに建物を完成させておかなければならないため、工事期間を逆算して工事を開始しなければなりません。

更地のまま固定資産税を安くする方法について

固定資産税は住宅・共同住宅を建てなくても安くする方法があります。
ここからは、更地のまま固定資産税を安くする方法について紹介します。

畑などの農地に地目を変更する

土地を田や畑として利用し、地目を宅地から田・畑に変更すると固定資産税が安くなります。
地目変更をするときには、地目変更登記費用がかかります。

また、この方法を利用する場合には、不動産会社など不動産のプロに必ず相談してください。
一部地域内で宅地を農地に変更してしまうと、宅地に戻せないケースがあります。
このような状態になると、その土地は農地としてしか使用できなくなります。

経営を行う

土地上で収益を得る場合、固定資産税は安くなりませんが、収益を得ることにより間接的に固定資産税を安くする方法になります。
ここでは、土地を経営する方法を2つ紹介します。

【駐車場経営】
土地を経営する最も簡単な方法は駐車場経営です。
土地が都心部であればコインパーキング、郊外では月極駐車場にするのがオススメです。
駐車場は整備費用がそこまでかからず、年間の固定資産税を賄うことができます。

【トランクルーム経営】
駐車場経営と同じく、初期費用があまりかからず収益を得る方法としてトランクルーム経営が挙げられます。
トランクルームは地面に固定しなければならず、建物の固定資産税が発生するこことには注意が必要です。
しかし、駐車場経営よりも収益を得やすいため、土地・建物の固定資産税を両方とも賄えてしまいます。
ただし、トランクルーム経営は需給のバランスがあるため、郊外の場合は収益を得ることが難しいかもしれません。

売却

土地を売却してしまうことも固定資産税を抑える方法です。
利用していない土地を保有していると固定資産税が課税され続けることになります。
そのため、土地を売却して固定資産税を納税しなくてもよくなり、売却資金で収益不動産を購入したりできます。

更地の固定資産税に関する注意点

更地の固定資産税に関して知っておかなけおかなければ損してしまうことがあります。
ここからは、更地の固定資産税に関する注意点を紹介します。

更地のままだと固定資産税は安くならない

土地が更地のままだと固定資産税の減税措置を受けられず、固定資産税が高いまま課税されます。

土地の固定資産税を安くするには、住宅・共同住宅を建てる方法があります。
また、自治体によっては生活が苦しいなどの理由があれば、固定資産税を安くしてくれる場合があるので相談をしてみましょう。

特定空き家に認定されると固定資産税が3～4倍になる

特定空き家に認定された後に自治体から来る命令を無視すると、土地上に住宅が建っていたとしても、固定資産税が3～4倍になってしまいます。

特定空き家とは建物が崩壊しそう、動物が住み着いているなど危険な状態の空き家のことです。
危険な空き家を放置していると、自治体から特定空き家に認定されます。

特定空き家に認定された後に自治体は、空き家の状態を改善するよう命令します。
この命令を無視すると土地の固定資産税減税措置が解除されます。
解除された結果、土地の固定資産税の減税措置が3～4倍になるので注意ください。

滞納すると延滞金が発生する

固定資産税の指定納期を超えてしまうと延滞金が発生します。
延滞金は指定納期から経過した日数を計算に入れるため、滞納する期間が長くなるほど延滞金も増えていきます。

本記事のおさらいとよくある質問

更地にしたときの固定資産税について、多くの質問を受けることがあります。
そのため、よくある質問として2つの質問を紹介します。

更地の固定資産税を安くする方法について

更地の固定資産税を安くする方法は、次の通りです。

• 住宅を建てる
• 共同住宅を建てる
• 取り壊しは1月1日以降に行い竣工は1月1日に間に合わせる
• 畑などの農地に地目を変更する
• 土地を売却する

更地の活用方法について

更地の活用方法は、次の通りです。

• 駐車場経営をする
• トランクルーム経営をする

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